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伊●湾岸MIDNIGHT♪
275: 走り屋 : 2004/07/27 17:44
俺のクルマは『カムリ』
もう長い付き合いだ。おそらく物心ついた頃にはカラダの一部のような存在に
なっていた。今では自分の『息子』のようにかわいがっている。
毎日の洗車もかかさない。特に室内は念入りに清掃をする。何故かやけに湿り
がちで、汚れが溜まるのが気になるからだ。
ある夜我が『息子』で高速道路を快調に流していると、煽ってくる1台の
マシンがいた。
『何だ・・・?』最初は気にも止めなかったが、車種が分かった時、俺は
一瞬にして青ざめた・・・!
『ビガー!!』
そう、ホンダのプレミアムセダンである。自分にも分からないが、あのクルマ
『ビガー』には絶対に抜かれてはいけないのだ。男としてのプライド、俺の
アイデンティティが崩壊してしまう。俺が俺でなくなってしまうだろう。
奴『ビガー』の侵略は『カムリ』乗りにとって、カラダごとひんむかれる
ような屈辱を感じるのだ。
『チッ・・・』俺は軽く舌打ちをして、すかさず俺は相棒『カムリ』の
シフトレバーを1速落とす。そう、奴とのドッグファイト開始である。
いきり立つように吠える我が息子『カムリ』。一気にレッドゾーンまで
まわるエンジン!!
バックミラーに小さくなる『ビガー』が映る。俺は少しの安堵を抱いた
ものの、さらなる危機がすぐそこに迫っていた。
俺は他のクルマの流れに合わせようと前方のクルマに目をやると、そこには
小さいキャビンのセダンが走っていた。カリーナ『ED』である。
何とも哀愁漂う雰囲気は、俺をあざ笑うかのようにゆったりと走行していた。
だがコイツだけは抜いてはいけないのだ。何故なら『ED』を越してしまうと、
その先にあることは、我が息子『カムリ』が排気という機能をするだけの
『物』に成り下がってしまうからだ!
そこには『ED』を追い越せずに、『ビガー』の追随に焦りと不安を募らせる
『カムリ』がいたのだった・・・(続く)

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